みなさんこんにちは、くろです
私は現在特養(特別養護老人ホーム)と呼ばれる施設で働いています。
そこにはたくさんの高齢の方が住んでいて、
様々な個性を持ち合わせた人たちが集団で生活をしています。
いろんな病気を患っている人がいるのですが
中でも多くの方に共通して見られる病気が「認知症」です。
今日は私が介護の現場で出会う日常と
認知症の方にまつわるお話から得た気づきのお話をさせてください。
認知症とは
「認知症」とは
認知症とは、一度正常に発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を指します。
分かりやすく言えば「物忘れ」や「今までできたことができなくなる」病気です。
その他にも「怒りっぽく攻撃的」になる人もいれば「意味も分からずひたすらに徘徊をする」人もいます。一言で「認知症」と言っても、症状は人それぞれです。
認知症の原因は様々ですが、
原因解明がされていなくて根本的に治すことのできないケースと
現在の医学で治療可能なケースもあるようです。
高齢になるにつれ罹患するリスクは高まりますが、
若い人でも発症することがあるようです。
ごくごく稀な例だとは思いますが10代後半で発症した人もいるそうです。
私が施設で見ている認知症の人たち
ここからは私が働く現場で実際に見てきた認知症の方々を少しだけ紹介します。
これからお話する方々の行動は、「認知症」やその他様々な病気や要因が混合して起きている「症状」の一つです。私の働く現場では「それも一つの個性」として、優しく丁寧に接しています。馬鹿にしたりするようなものではなく、愛らしい人たちであると言う根底の想いをを先に伝えさせてください。
いつもずっとうなっている人
歩いていても座っていても、ご飯を食べながらでも、
基本的にいつもずっとうなってます。
会話はある程度成り立ちますが自分の名前やここがどこなのかも、本人にはわかっていません。
急に服を脱ぎだす人
ほんと、どこででも服脱ぐんですよ笑
食堂だろうが部屋だろうがお構いなし。
私も何度もその行為と出くわしていますが、毎回全力で止めてます、
「どーしたどーした!!!」って。
脱ぎ癖がある方は女性なんですが、そんな脱いでるおばあちゃんを
じーっと見つめるおじいちゃんも、います。笑
なんでも食べちゃう人
「食べ物」っていう認識がない方は多いです。
紙とかタオルとかも平気で食べちゃうような人も多いのですが、
あろうことか、う○ちすらも食べてしまうのです、、、
口からう○ちのにおいをさせていた人は後にも先にもあの方一人しか出会ったことがありません。
あの時は本当に驚きました。。。
想いは伝わる
認知症を患ったおばあちゃんの実話
ある職員さんから聞いたご自身の認知症のおばあちゃんのお話です。
おばあちゃんは認知症を患っていましたが、まだお家に住んでいました。
そんなおばあちゃんの事を主に介護していたのはおじいちゃん。おばあちゃんにとっての旦那さんです。
おじいちゃんはおばあちゃんのことをとても大切にしていましたが、認知症のおばあちゃんは既に旦那さんであるおじいちゃんの事を完全に忘れていました。
もともと口の悪かったおばあちゃんは、介護してくれているおじいちゃんに対し、「早く穴に帰れ」などと罵声を浴びせたり悪口を言っていました。
そんな中、介護していたおじいちゃんが先に亡くなってしまったのです。病気でした。葬儀も終わり、家に持ち帰った遺影は仏壇に飾ることになりました。
しかし、仏壇にある遺影を見たおばあちゃんは突然
「その人はまだそこにいる人じゃない!そこに置くな!」と怒りだしたのです。
もちろん、おばあちゃんは認知症でおじいちゃんの事をずいぶん前から忘れてしまっています。
でも、それでも、おじいちゃんの写真を仏壇におくことは許しませんでした。
忘れているけど、覚えてる
おばあちゃんが怒りだしたその真意は分かりません。
でも、その職員さんや職員さんのご家族はそんなおばあちゃんを見て
「どこかでおじいちゃんの事を覚えているんだ」
「おじいちゃんの想いはちゃんとおばあちゃんに届いていたんだ」
と思ったとの事でした。
気持ちも、心も、記憶も、外から見て目に写るものではありません。
だから、確かなことなんて何一つないです。
スピリチュアルな話に聞こえてしまうかもしれません。
ただ、自分たちでそう思いたいだけかもしれません。
でも、忘れていても、感覚の中で、心のどこかでに、
「おじいちゃんは確かにそこにいて、気持ちは通じ合っていたのかもしれない」
と、そう思いたいなと思ったお話でした。
”今”私たちにできること
私は、おじいちゃんの想いはおばあちゃんに伝わっていたと、そう信じています。
ただ、自分の事を忘れてしまった大切な人を想い続けるおじいちゃんには
きっと苦しい時もあったのではないかと思います。
今回は「認知症」という病気の方についてのお話でしたが、
いつ、自分のパートナーや友人、大切な人に、
気持ちを伝えられない状態になってしまうかは、誰にも分かりません。
そんな時なんてこないことを願うばかりですが、
今、自分にとって大切な誰かと元気であれるこの瞬間は永遠には続きません。
そんな日々を大切にし、そしてちゃんと想いを伝えましょう。
恥ずかしがらずに言葉にしましょう。
直接言うのが恥ずかしければまずはラインなどでもいいと思います。
今から始めましょう。
想いはきっと伝わります。
想っているだけではなく、言葉に、行動にしていきましょう。
まとめ
今回は実際にあったお話をもとに「想いは伝わる」と言うことや
「今、想いを伝える」ことの大切さを実感したお話をさせていただきました。
ここまで書き終えてみて、なんかこう、うまく自分の気づき・想いを、
この記事に乗せられているのか分からなくなってしまったのですが、、
想うことって大切だよね!今この瞬間、大切にしようね!
でも、もし、いなくなってしまっても、忘れられてしまったとしても、
きっと想いは届くよ!ってことを伝えたかったんです!
少しでも感じ取っていただけてれば嬉しいです、、、
それでは!